金の買取相場とは1グラムあたりの金の買取価格のことで、海外ではロンドンやニューヨークの市場の取引により、日本では東京工業品取引所での金取引により決まります。まずは主な金買取の相場変動要因について説明します。一つ目の要因は金の需要と供給の変化によるものです。以前は宝飾品としての需要が大きかった金ですが、近年はこの需要は減少傾向にあります。

一方でパソコン、携帯電話、液晶テレビなどの部品としての需要が高まっているので、金の商品としての価値は保たれています。よって需要と供給の点からは大きな変動はしていません。二つ目に社会情勢や経済情勢を理由とするものです。ドル、ユーロ、円といった各国通貨は発行国の経済情勢や政情不安から価値が下落することがありますが、同様の理由で金の価値が下落することはありません。

そのため主要国通貨への不信感が高まったりインフレの懸念が高まると、資産を金で保有したいと思う人が増えるため相場は上昇します。最後に為替との関係です。海外での金の取引はドルで行われています。日本国内で金を取引するときはドル建て価格から円建て価格に換算するため、円高になると金価格は下降し、円安になると上昇します。

次に近年の金買取相場の推移についてです。2000年に金ETF(金を対象にした投資信託のようなもの)が登場したことにより上昇しました。金ETFにより機関投資家などが以前のように大量の金を自分で保有しなくても金取引ができるようになり、金への投資が増加したためです。さらにその後2008年のリ-マンショックなどによる経済不安から高騰しました。

以降米国経済の回復基調に伴い、金の売却および株や債券の購入がすすみ、金買取相場は緩やかに下降傾向にあります。

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